生体材料 ヒドロキシアパタイト
生体材料 ヒドロキシアパタイト
生体材料分野向け無機素材
ヒドロキシアパタイト
- ヒドロキシアパタイトは塩基性リン酸カルシウムで、天然には骨や歯の主成分として、また自然界には鉱石として存在します。
- ヒドロキシアパタイトは高い生体親和性を示し、人工骨、歯科インプラント、人工関節用コーティング素材といった生体材料に活用されております。
- 富田製薬のヒドロキシアパタイトはASTM*規格に準拠しており、医療機器原料としての品質規格、不純物に加え、用途に応じた物性を厳密に管理された製品です。
- 不純物に関し、製造時に管理・コントロールしているため、元素や結晶構造的な不純物が少なく、高純度なものとなっております。
- そのため高い白色度を有しており、白色のコーティング製品の製造に最適です。
*ASTM規格は、世界最大規模の標準化団体であるASTM International(旧称 American Society for Testing and Materials:米国試験材料協会)が策定・発行する規格です。
- 化学名 : ヒドロキシアパタイト(リン酸三カルシウム)
- 組成 : Ca10(PO4)6(OH)2 CAS No. 1306-06-5
商品名 | 適用規格 | 用途 | 特徴 | |
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ヒドロキシアパタイト C | ― | 工業用 | 研磨剤,プラズマ溶射用材料、生体材料用原料(人工骨,人工歯根,骨充填剤) |
|
ヒドロキシアパタイト HD | ― | |||
ヒドロキシアパタイト FP | ― | |||
外原規 ヒドロキシアパタイトSK | 外原規 | 化粧品 | 余分な脂質や老廃物を吸着し除去 | ― |
溶射用ヒドロキシアパタイト
当社のヒドロキシアパタイトはISO13779-6に適合しております。インプラントのような医療機器は長期にわたり体内に存在することから、その原料の元素不純物や類縁物質を厳密に管理する必要があります。
当社はヒドロキシアパタイトの原材料から製造、品質検査まで厳しく管理し、ISOへの適合はもちろんのこと、医療機器原料として適格な製品の提供が可能です。
物性
試験項目 | 分析一例 | |||
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ヒドロキシアパタイト C | ヒドロキシアパタイト HD | ヒドロキシアパタイト FP | ||
嵩密度(ISO 3923-1) | 0.5 g/mL | 0.8 g/mL | 1.0 g/mL | |
粒度分布 | D10 | 57 μm | 57 μm | 15 μm |
D50 | 91 μm | 93 μm | 28 μm | |
D90 | 150 μm | 156 μm | 48 μm |
SEM像
ヒドロキシアパタイト C | ヒドロキシアパタイト HD | ヒドロキシアパタイト FP |
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コーティング材料としての応用例
インプラント基材として使用されているPoly Ether Ether Ketone(PEEK)に対する、当社ヒドロキシアパタイトのコーティング特性をプラズマ溶射実験により確認しました。
試験条件
項目 | 条件 | ||
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溶射方式 | 大気プラズマ溶射 | ||
基材 | PEEK | ||
コーティング材料 |
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ブラスト条件 | メディア | Al2O3 (WA♯46) | |
圧力 | 0.5 MPa | ||
距離 | 150 mm | ||
溶射装置 |
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作動ガス | Ar | SLPM | 30 |
He | SLPM | 150 | |
キャリアーガス | N2 | SLPM | 4 |
電流値 | A | 500 | |
溶射距離 | mm | 100 |
結果
コーティング皮膜の顕微鏡像
コーティング前 | コーティング後 |
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コーティング皮膜断面像
倍率 | ヒドロキシアパタイト FP | 他社品 |
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×200 |
当社ヒドロキシアパタイトFPは、PEEK表面に均一に溶融された状態で被膜を形成しました。
それに対し、他社品は皮膜を形成することができませんでした。
コーティング皮膜物性
試験項目 | 結果 | ||
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純度 | 結晶化度 | 63% | |
不純物相 | α-TCP | 1.40% | |
β-TCP | 1.60% | ||
TTCP | 1.00% | ||
CaO | 0.20% | ||
Ca/P比 | 1.67 | ||
物性 | ビッカース硬度 | 244 (HV0.3) | |
摩耗量 | 4.2 mg | ||
膜厚 | 170 um | ||
表面粗さ(Ra) | 4.1 um |
ヒドロキシアパタイトFPは溶射後も不純物相への分解も少なく、高強度皮膜を形成することができました。
したがって、医療機器の表面コーティング材料として好ましい特性を示しました。
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