多機能賦形剤 フローライト®シリーズ
多機能賦形剤 フローライト®シリーズ
フローライト®は、医薬品、化粧品、食品、工業製品など幅広い分野で優れた機能を発揮します
フローライト®は独特の結晶構造を持った無機系機能性素材で、驚異的な吸水・吸油性と優れた成形性を持った多機能型粉体です。
他のケイ酸カルシウムには見られない花弁状構造*をしており、深くて大きな細孔を持っています。そのため、通常の多孔性材料とは異なり、極めて大きな細孔半径と細孔容積を実現しています。
この細孔内では物質の移動を比較的自由に行うことができ、物質の吸着、担持、放出、反応等に利用することが可能です。
フローライト®は、吸液担体や成形剤としての使用に加え、有効成分の安定化用途や溶出制御にも使用することができます。
*品目によって異なります。
主な特徴
- 高い吸液・吸油能力
- 自重の3~5倍量*の液体を吸収し、液体、油状物質の粉末化が可能
*品目によって異なります。 - 優れた成形性
- 低打圧でも錠剤を高硬度に。ラミネーション等の打錠障害を低減し、直接打錠を実現
- 崩壊性の向上
- 水を錠剤内部に引き込み、高硬度でも高い崩壊性を実現
- 有効成分安定化
- 有効成分や香料成分を細孔内に保持し、光や酸素から保護。
- 溶出特性制御・香料の徐放化
- 被膜用ポリマーとの組み合わせで有効成分溶出速度の調整や香料の徐放化が可能
- 難溶性成分の溶出性改善
- 難溶性成分を細孔内で非晶質化し、溶出性を改善
吸液・吸油特性
一般的な多孔質材料の細孔構造とは異なり、フローライト®独自の花弁状結晶構造は、粒子内に大きな細孔容積を有するマクロ細孔を形成します。
このマクロ細孔により、フローライト®は自重の3~5倍量の液体を吸収し、保持することができます。また、垂直方向に深く成長し、容積に対し開口部が小さいため、細孔内に充填された液体を外部環境の酸素、水蒸気などの影響から保護する効果を有しています。
自重の3~5倍*の液体を吸収、保持可能
*品目によって異なります。
成形性・崩壊性の向上
打錠時の圧縮工程において、フローライト®の結晶構造は低打圧下で容易に破壊され、花弁状構造が相互に接着し、強い結合性を発現します。そのため、フローライト®を処方に加えることで、硬度アップが図られ、低打圧でも必要な硬度が得られます。
また、高打圧にすることにより発生するラミネート現象等の抑制や崩壊時間の長時間化を抑制し、さらに、杵臼のみならず、打錠機本体へのダメージの軽減にもつながります。
錠剤の成形性を改善し、処方によっては造粒工程を省いた直打方式での製造も可能です。
原材料 | 配合量 |
---|---|
アセトアミノフェン | 22.6 mg |
賦形剤(いずれか一種)
|
90.2 mg |
クロスポピドン | 6.6 mg |
ステアリン酸マグネシウム | 0.6 mg |
合計 | 120 mg |
低打圧でも強力な結合性、他の賦形剤の1/2以下の打錠圧で好ましい錠剤硬度を達成
製品一覧
製品 | フローライト® R | フローライト® H*2 | フローライト® PS-200*2 | フローライト® PS-10 |
---|---|---|---|---|
物質名 | ケイ酸カルシウム | |||
外観 | 白色,粉末 | 白色,粉末 | 白色,細粒 | 白色,微粉 |
粒子表面構造 | 花弁状 | 花弁状 | 花弁状 | 無定形 |
吸油量 (mL/g) | 4.6 | 4.3 | 4.8 | 3.2 |
ゆるめ嵩密度 (g/mL) | 0.07 | 0.08 | 0.07 | 0.09 |
固め嵩密度 (g/mL) | 0.11 | 0.14 | 0.10 | 0.15 |
ゆるめ嵩比容積 (mL/g) | 14.4 | 11.8 | 13.7 | 11.0 |
固め嵩比容積 (mL/g) | 8.8 | 7.4 | 10.3 | 6.6 |
粒度D50 (µm) | 30 | 30 | 130 | 10 |
安息角 (°) | 47 | 45 | 40 | 56 |
pH | 9 | 9 | 9 | 10 |
比表面積 (m2/g) | 160 | 140 | 200 | 230 |
レギュレーションステータス |
|
NF*1 |
|
|
*2 受注生産品のためご検討の際はお問い合わせください。
使用用途
- 成形助剤
- 安定化剤
- 崩壊助剤
- 吸水剤・吸油剤
- 直接打錠用賦形剤
- 吸液担体(液・油状物質の粉末化)
- 連続生産用賦形剤
- 溶出改善、溶出コントロール基剤
- 口腔内崩壊錠用賦形剤
- フレグランス (アロマ精油等の粉末化、芳香放出コントロール)
- DDS素材
- 徐放性基剤 (API 含有型)